子供の猫背が急増中!要注意の理由とは?
「ふと自分の子供を見るとどうしても姿勢が気になる・・・」
「大きくになるにつれて猫背がどんどん酷くなる・・・」
近年、子供たちの猫背が深刻な社会問題として注目されています。
姿勢に不安を抱えている子供は過去から現在まで右肩上がりに上昇し、中でも猫背は最も多い姿勢の問題となっています。
子供のスポーツ現場でも、学校で行うスポーツテストの結果はどんどん大きく下がっており、今なお下降が止まっておりません。
運動能力の低下に伴って、体幹の安定性や基本的な姿勢を保つことが困難なケースが増加しているのです。
これにはスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスの普及や運動施設の減少など子供たちが身体を動かす機会が極端に減った事が大きな原因と考えられています。
猫背が要注意である理由は様々ありますが、一番の項目は呼吸機能の低下です。
呼吸機能が低下することにより呼吸に使用する筋肉や姿勢を維持する筋肉が筋力不足を起こし、集中力の低下や自信の形成など社会面でも悪影響を与えることがあります。
本日は子供の猫背が発生した主な理由から注意点とチェックポイント、改善点まで説明いたします。
ぜひ最後までご覧下さい!
執筆者:祖父江誠
職業:運動指導者
保有資格:
全米ストレングス&コンディショニング協会認定 パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
全米スポーツ医学協会認定 パフォーマンス向上スペシャリスト(NASM-PES)
カロリートレードジャパン認定パーソナルトレーナー(CTJ-CPT)
PHI ピラティス インストラクター (Mat Ⅰ&Ⅱ、Reformer、Tower、Chair、Barrel)
Pilates Synthesis Mat 修了
Pilates Synthesis Reformer&Tower 修了
Pilates Synthesis Chair修了
経歴:2025年8月、名古屋市瑞穂区に身体と心の土台を育てる
「からだセンススポーツ教室」を出店。
さらに詳しい経歴はコチラ
子供の猫背の主な原因と現代特有の背景
子供の猫背が増加した大きな理由は先述した通り「デジタルデバイスの使用時間増加」です。
スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの画面を見る際に、自然と頭部が前方に突き出し、肩が内側に巻き込まれる姿勢を長時間続けることで、この姿勢が習慣化してしまいます。
この現象により体幹を支える機能が弱ってしまい体幹を支える筋力が十分に発達していません。
主な体幹部の筋肉である背筋や腹筋などの抗重力筋の弱化により、正しい姿勢を維持することが困難になっています。
また、柔軟性の不足も深刻で、胸筋や首の前面筋群が短縮し、猫背姿勢が固定化されやすくなっています。
現代特有の背景として、コロナ禍による生活様式の変化も猫背増加に拍車をかけています。オンライン授業の普及、外出自粛による運動不足、家庭内での長時間のデバイス使用など、これらの要因が重なることで、猫背の問題がさらに深刻化しているのが現状です。
子供の姿勢の乱れがもたらす影響とは?
子供の姿勢の乱れは身体・社会的な観点を始めとして様々な面で深刻な影響をもたらします。
まず身体的な影響として脊椎の正常な湾曲が失われてストレートネックや反り腰などが発生しやすくなり、猫背姿勢では胸郭が圧迫され、肺活量が減少します。
疲労感や集中力の低下を招きます。特にスポーツをする子供にとって、呼吸機能の低下は運動パフォーマンスに直接的な悪影響を与えます。
筋骨格系への影響も見逃せません。猫背姿勢では、頸部や肩周辺の筋肉に過度な負担がかかり、肩こりや頭痛の原因となります。また、体幹の安定性が低下することで、運動時の怪我のリスクも増加します。バランス能力や協調性の低下により、スポーツパフォーマンスの向上が阻害されることも多く見受けられます。
学習面への影響も深刻で、姿勢の悪化は集中力の低下と直結しています。猫背姿勢では脳への血流が悪くなり、認知機能や記憶力の低下を招きます。また、長時間の不良姿勢により身体的な不快感が生じ、学習への意欲や持続力にも悪影響を与えます。
精神面への影響として、猫背は自信の低下や消極的な態度につながりやすいことが知られています。姿勢と心理状態は密接に関連しており、猫背姿勢は自己肯定感の低下を招き、社交性やコミュニケーション能力にも影響を与える可能性があります。
家庭でできる簡単な猫背のチェックポイント
次に家庭で簡単に実践できる猫背のチェック方法をご紹介します。
基本的には横から見た姿勢のチェックが一番簡単で姿勢評価の経験が少ない方も再現性が高いです。大まかに耳の穴と肩の頂点が直線上にあるのが理想的な姿勢です。
鎖骨・胸郭の上に頭部が乗り、頭の重さを肋骨が支えて筋肉にかかる負担を正常化してくれます。
もしこれが猫背の場合は頭部が前方に突き出し、肩が前に巻き込まれた状態になります。
この状態だと頭部の重さが首肩周りにかかってしまい、肩こりや慢性的な疲労感に繋がります。
子供の猫背改善には胸椎の動きが鍵
猫背改善において最も重要なポイントは、胸椎(背骨の胸の部分)の柔軟性向上と、体幹筋群の適切なバランスです。現代の子供たちに多い猫背は、胸椎の過度な後弯(後ろに曲がること)が主な原因であり、この部分へのアプローチが改善の鍵となります。
胸椎の柔軟性改善には、胸を開くストレッチが効果的です。壁に手をついて行う背伸びやタオルを使った肩甲骨寄せ運動、肩回しなどの肩関節ぶん回し運動などを日常的に取り入れることで、固くなった胸椎の動きを改善できます。
筋バランスの調整も欠かせません。多くの猫背の子供は、胸筋や首の前面筋群が短縮し、背筋群が弱化しています。
このアンバランスを解消するため、短縮した筋肉のストレッチと、弱化した筋肉の強化を同時に行うことが必要です。
個人で運動を行うことも大事ですが、スポーツなどの習い事で該当する筋肉を動かす事が一番効率がいいです。
東急動作を伴うスポーツ(野球やハンドボール)、肩甲骨を動かす運動(水泳・ボルダリング)などが個人的におすすめです。
ですが一番は子供が楽しめるのが大切ですので、子供と話し合って習い事を決めましょう。
子供が猫背になりにくい環境を親が作ろう
子供の猫背問題は、現代社会が抱える深刻な健康課題の一つです。しかし、適切な知識と継続的な取り組みにより、予防・改善が可能です。
最も重要なのは、親が積極的に関与し、子供が猫背になりにくい環境を整えることです。
環境整備においては、学習机と椅子の高さ調整、照明の改善、デジタルデバイス使用時間の制限など工夫次第で子供姿勢改善に大きく寄与できます。
また定期的な姿勢チェックと家族全員での姿勢意識の共有により、自然と正しい姿勢が身につく環境を作ることが大切です。
今日から始められる小さな変化の積み重ねが、子供の将来の健康と活躍につながることを忘れずに、継続的なサポートを提供していきましょう。正しい姿勢は、子供の自信と可能性を最大限に引き出す重要な要素なのです。
興味がある方は、ぜひ一度、当スタジオでの体験レッスンにお越しください。見学も歓迎です!