「最近、子どもの姿勢が気になる・・・」
「子どもの姿勢が悪いんだけど思い当たる原因が見当たらない・・・」
お子様と接していて日々このように感じることはないでしょうか?
姿勢は子供大人を問わず悩んでいる人が非常に多い問題です。
今回の執筆では姿勢改善を得意とするピラティス指導者が「子供の姿勢」について詳しい原因と具体的な解決方法について解説していきます。
この記事を読んでもらえれば、子どもの姿勢に対して詳しい原因が理解出来てネガティブに捉えなくても大丈夫になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
執筆者:祖父江誠
職業:運動指導者
保有資格:
全米ストレングス&コンディショニング協会認定 パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
全米スポーツ医学協会認定 パフォーマンス向上スペシャリスト(NASM-PES)
カロリートレードジャパン認定パーソナルトレーナー(CTJ-CPT)
PHI ピラティス インストラクター (Mat Ⅰ&Ⅱ、Reformer、Tower、Chair、Barrel)
Pilates Synthesis Mat 修了
Pilates Synthesis Reformer&Tower 修了
Pilates Synthesis Chair修了
経歴:2025年8月、名古屋市瑞穂区に身体と心の土台を育てる
「瑞穂感覚体操教室」を出店。
さらに詳しい経歴はコチラ
子どもの姿勢を判断する際のチェックポイント
子どもの姿勢が悪いと感じたとき、親御さんの多くは「なんとなく猫背っぽい」「座っているとすぐに背中が丸まる」といった“印象”で判断していることが多いものです。
しかし、実際に「正しい姿勢とは何か」を知らなければ、正確な判断や改善への第一歩にはつながりません。
ここでは、親御さんが家庭でも簡単にできる「姿勢チェックのポイント」と、専門家が見る正しい姿勢の基準をわかりやすくご紹介します。
「最近、ウチの子の姿勢が悪いんです…」
以前、お客様から「うちの子の姿勢が悪いんです・・・」と質問を頂きました。
詳しく聞いてみると「日常の何気ない姿勢」に違和感を覚え、「最近、姿勢が悪くなってきた気がする」と感じる親御さんは少なくありません。
しかし、それらの“見た目”だけで姿勢の良し悪しを判断するのは難しいものです。
重要なのは、「どこを見て、どう判断するのか」を知ることです。
まずは、子どもの立ち姿勢を“横から”チェックすることで、本当に正しい姿勢が保てているかを確認しましょう。
「正しい姿勢」の判別方法
「正しい姿勢」を評価する際に、よく使われる基準があります。
それが以下の3点が一直線上に並んでいるかどうかというチェックです。
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乳様突起(にゅうようとっき):耳のすぐ後ろにある骨の出っ張り
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肩峰(けんぽう):肩のいちばん外側(肩先の骨)
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大転子(だいてんし):太ももの付け根の外側、骨盤の横あたりの骨
この3点が、横から見たときに一直線上に並んでいる状態が「理想的な立位姿勢」とされています。
このラインが崩れていると、
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頭が前に出ている(ストレートネック傾向)
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肩が巻き込んでいる(巻き肩・円背)
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骨盤が前傾・後傾している(反り腰・スウェイバック)
といった姿勢の崩れが見られます。
ご家庭では、壁を背にして立たせ、後頭部・肩(指2本)・腰(手のひら1枚)が壁に自然につくかを確認する「壁立ちチェック」も簡単な方法の一つです。
子どもの姿勢が悪くなる原因は「抗重力筋」
まだ発達が未完成な子どもの不良姿勢は多くが「抗重力筋」の未発達が原因と考えられます。
この「抗重力筋」は、重力に逆らって身体を正しい位置に保つために重要な役割を果たしており、特に成長期の子どもにとって姿勢形成のカギとなります。
抗重力筋とは?
抗重力筋とはその名の通り重力に抵抗するように働く筋肉です。
具体的には多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群などのインナーマッスルから脊柱起立筋、腰方形筋、股関節伸展筋群(大臀筋・ハムストリングス)などが当てはまります。
抗重力筋の未発達・不活性が姿勢の悪さを引き起こす原因
この抗重力筋が上手く機能していないと、大人子どもに関わらず姿勢が悪くなる現象(不良姿勢)を引き起こします。
特に身体自体が未発達な時期においては適切な運動習慣がないとこの抗重力筋が筋力を発揮できず、姿勢の悪さを助長させてしまいます。
スマホ使用や学習姿勢の影響
上記に加えて近年では学習姿勢やスマホ・タブレットの使用もこの不良姿勢を引き起こす大きな要因となっております。
特に大人にも該当しますが、スマホやタブレットの使用が多くなった我々現代人は頭部が前方向に偏った状態が長く、頭の位置を起点とした不良姿勢(猫背・円背)が増えてきております。
子どもの姿勢が悪い事によるデメリット
先ほど姿勢の悪さの原因は抗重力筋の未発達が大きく寄与している可能性があると先述しました。
「成長すれば自然に良くなるのでは?」
未発達が原因なら発達すれば治ると上記の様に感じて、見過ごしてしまう保護者の方も多いかもしれません。
しかし、姿勢の悪さは見た目の問題だけでなく、子どもの心身の発達や日常生活の質にも大きな影響を与えます。
抗重力筋の未発達や、日常生活での不適切な習慣が原因となって崩れた姿勢は、やがて以下のようなデメリットにつながる可能性があります。
集中力の低下・学習への影響
姿勢が悪くなると、特に首周りの筋肉が緊張しやすくなり、その状態が続くことで呼吸が浅くなったり、肩や背中に余計な力が入るようになります。
このような身体の状態では、脳に十分な酸素が行き渡らず、結果として集中力が途切れやすくなる傾向が見られます。
特に勉強や読書など、机に向かう時間が長いお子さんにとっては、姿勢の乱れが学習効率の低下に直結することもあります。
肩こり・腰痛など将来の身体トラブル
子どもの骨格や筋肉は成長途中であるため逆に慢性的な不良姿勢になりやすく、長期間の不良姿勢が関節や筋肉にかける負荷は見過ごせません。
猫背や前傾姿勢などを長く続けていると、身体の一部に過剰な負担がかかりやすくなり、
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- 肩こり・腰痛
- 膝や股関節などへの負担による痛み
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スポーツ中の怪我や故障のリスク増加
現状危害のない些細な姿勢の乱れでも、長期的に見て身体のバランスを崩す大きな要因となるため、早めの対処が望ましいです。
見た目の印象・自信への影響
姿勢はその人の印象を大きく左右します。
猫背で胸が閉じた姿勢では、自然と呼吸が浅くなり、声が小さくなる・表情が暗く見えるなどの変化が起こりやすくなります。
これにより、以下のような二次的な影響も考えられます:
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体力の発達や肺活量の伸び悩み
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人前での発言に自信が持てない
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「元気がない子」という印象を持たれやすい
姿勢の崩れが続くことで、自己肯定感や社会性の発達にも影響を及ぼす可能性があるため、見た目以上に慎重なサポートが求められます。
【理論編】子どもの姿勢が悪い原因は〇〇筋?スポーツトレーナーが教える正しい姿勢の育て方/まとめ
いかがだったでしょうか?
姿勢の乱れはどうしても数値化がしにくく、悪い部分が良くも悪くも顕在化しない為どうしても見過ごしてしまがちです。
後半では具体的な改善方法を説明してきますのでぜひ更新をお待ちください。
今回も最後までご覧頂きありがとうございました。
興味がある方は、ぜひ一度、当スタジオでの体験レッスンにお越しください。見学も歓迎です!