「運動するときに有酸素運動ってどうなの?」
「子供の有酸素運動てどうなの?」
運動指導をしていると上記のような質問をお子様を持つクライアントからいただく機会が度々あります。
運動を習うことは前提に心肺機能を鍛えるような「有酸素運動」が良いのかどうかは悩みの種です。
本日は子供の有酸素運動がどのような効果があるのかをジュニアスポーツトレーナーの観点から解説いたします。
ぜひ最後までご覧下さい!
執筆者:祖父江誠
職業:運動指導者
保有資格:
全米ストレングス&コンディショニング協会認定 パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
全米スポーツ医学協会認定 パフォーマンス向上スペシャリスト(NASM-PES)
カロリートレードジャパン認定パーソナルトレーナー(CTJ-CPT)
PHI ピラティス インストラクター (Mat Ⅰ&Ⅱ、Reformer、Tower、Chair、Barrel)
Pilates Synthesis Mat 修了
Pilates Synthesis Reformer&Tower 修了
Pilates Synthesis Chair修了
経歴:2025年8月、名古屋市瑞穂区に身体と心の土台を育てる
「「からだセンススポーツ教室」を出店。
さらに詳しい経歴はコチラ
有酸素運動を子供の時期に行う重要性
まずは結論から、子供の成長期においての有酸素運動は非常に大切です。
包括的に身体的・精神的発達の両面で極めて重要な役割を果たします。
まず身体的な観点から見ると、有酸素運動は他の運動と比べても特別に心肺系の機能を大幅に強化されます。
この心肺機能の強化は間接的に基礎代謝の向上に直結します。
理由として基礎代謝の発生は「呼吸」の割合が大きいということが挙げられます。
基礎代謝とは、私たちが安静にしている状態でも消費されるエネルギーのことですが、実はその約6割が呼吸による消費エネルギーから発生しています。
つまり、有酸素運動によって心肺機能が向上すると、日常生活においても効率的にエネルギーを消費できる体質になるのです。
これは子供の健康的な体重管理において非常に重要な要素となり、将来的な生活習慣病の予防にもつながります。
もちろん運動に伴い筋肉量も向上するのですが、それは他の運動も同じですので、
心肺機能が大きく強化られることが有酸素運動特有の効果・効能です。
次に精神的な面でも、有酸素運動は子供にとって非常に効果的です。
基本的には運動によってストレスの発散効果が大きく期待できます。
特に現代の子供たちは学習や人間関係など、様々なストレスにさらされていますが、
活動量の豊富な有酸素運動はそのストレスを外部に発散することが出来て健全な発達につながります。
さらに、スポーツなどの集団での運動活動では、チームワークや協調性といった社会的スキルの向上も期待できます。
子供の有酸素運動と脳・学力は関係があるの?
運動と学力の関係については、多くの研究が行われており、一般的には運動によって記憶力に重要な役割を果たす海馬の血流が改善されることが知られています。
この血流改善により、学術的には「頭が良くなる」と言えるでしょう。
しかし、単純な運動だけで勉強という観点においての「学力」という意味では単純な運動では養われていないと感じております。
大事なのは運動の中で操作や競技パフォーマンスを向上するために「目的に向かって逆算する力」
そしてそれを実際に「行動に表し、目標を修正していく力」を運動を通じた思考プロセスの過程で身につけることが大事だと考えております。
スポーツや運動において技術や競技パフォーマンスを向上させる際、子供たちは自然と「目的に向かって逆算する力」を身につけます。
例えば、「この技術を習得するためには、どのような練習が必要か」「今の自分の課題は何で、それをどう克服するか」といった思考パターンです。
さらに重要なのは、その計画を「実際の行動に移し、結果を見ながら目標を修正していく力」です。
これらの能力は、運動能力向上の過程で自然と身についていき、学習においても同様のアプローチを取れるようになります。
そのため「脳力を良くする」という観点に老いては、単一の動作だけでなく多様な運動パターンを学習すること、適切なスポーツにおける目標設定をしてくれる環境が重要になります。
【具体例】子供にお勧めな有酸素運動
子供の有酸素運動として特におすすめしたいのが「クロススポーツ」という考え方です。
クロススポーツとは、一つのスポーツに専念するのではなく、複数のスポーツを組み合わせて運動習慣を形成していく方法です。
この方法の大きなメリットは、年齢が上がるにつれて自分に最も適したスポーツを自然と見つけられることです。
幼い頃から一つのスポーツに絞ってしまうと、本来その子に向いている別のスポーツの才能を見逃してしまう可能性があります。
欧米のアスリートの多くは、子供時代だけでなく大人になってからもこのクロススポーツの形式を取り入れています。例えば、格闘技(MMA)とアメリカンフットボールを、シーズンに応じて使い分けてトレーニングしている選手も少なくありません。
引用:https://sportie.com/2018/06/cross-training
一見すると、それぞれの練習時間が半分になってしまい非効率に思えるかもしれません。
しかし、全く異なる身体の動かし方を学ぶことで、互いのスポーツに良い相互作用をもたらし、結果的に一つのスポーツに集中するよりも良い結果が出やすくなるのです。
一般家庭でこの方法を取り入れる場合は、週単位で複数のスポーツクラブや教室に通わせることをおすすめします。
例えば、月曜日は水泳、水曜日はサッカー、土曜日は体操といったように、週間スケジュールの中で多様な運動体験を提供してあげることが理想的です。
子供の運動習慣を家庭でサポートする方法
家庭で子供の有酸素運動をサポートする際、特別な運動プログラムを用意する必要はありません。最も効果的で実践しやすい方法は「スクリーンタイムを減らす」ことです。
スクリーンタイムとは、テレビ、スマートフォン、タブレット、DVDなど、画面の前で過ごす時間のことを指します。現代の子供たちは、このスクリーンタイムが過度に長くなる傾向があり、これが様々な問題を引き起こしています。
研究によると、長時間のスクリーンタイムは精神的ストレスの増加、社会性の発達阻害、睡眠の質の低下などと相関関係があることが報告されています。
これらの問題は、子供の健全な発達にとって大きな障害となります。
引用:https://www.mhlw.go.jp/content/001195867.pdf
したがって、積極的な運動は習い事や学校の体育などの外部に委託し、家庭では発達にマイナス影響を与えるスクリーンタイムの管理に集中することが、子供にとって最も良い環境を作ることにつながります。
スクリーンタイムが減れば、自然と身体を動かす時間や外遊びの時間が増え、結果的に有酸素運動の機会も増加するのです。
興味がある方は、ぜひ一度、当スタジオでの体験レッスンにお越しください。見学も歓迎です!